アントレプレナーシップって何?

略歴
1969年 富山県立富山高等学校卒業
1973年  日本女子大学家政学部家政経済学科卒業
1993年  社史制作専門の有限会社グループフィリア創業。代表取締役兼社史ライター(〜現在)
2003年  全国商工会議所女性会連合会第2回女性起業家大賞グロース部門特別賞受賞
2008年  金沢大学大学院人間社会環境研究科(博士前期課程)入学
2022年  金沢大学大学院人間社会環境研究科(博士後期課程)修了・博士(経済学)
富山経済同友会常任幹事(〜現在)
2025年  文部科学省アントレプレナーシップ推進大使拝命 『資本の性格と地域制度 富山・新潟・福島の近代電力産業に関する比較分析』(2024、日本経済評論社)が日本地域経済学会「学会賞」受賞

令和7年1月、文部科学省からアントレプレナーシップ推進大使を拝命した。

アントレプレナー(entrepreneur)は「始める」を意味するフランス語で、アントレプレナーシップは急激な社会環境の変化を受容し、「新たな価値を生み出していく精神」のことである※1。アントレプレナーシップ推進大使は、小中高生を対象に、自ら創造したい未来・解決したい課題を見つけ、解決にチャレンジ、協働しながら解決策を探求するための知識を提供する。縮小する日本経済活性化に向け、従来とは異なる発想でビジネスを実践し、新たな時代のニーズを取り込んでいける起業家を育てようという政策が背景にある。

推薦いただいたのは日本・東京商工会議所。平成15年に全国商工会議所女性会連合会女性起業家大賞グロース部門特別賞を受賞し、後に同エクセレント賞を拝受した縁だった。

富山市で社史制作専門の会社を創業して30年になる。大学時代から出版社や編集プロダクションに勤務して「書ける編集者」をめざしていたが、41歳で意図せぬ起業をした。社史を専業にしたのは、社史を書くことで「書ける編集者」に近づけたこと、先行プロダクションとの差別化が要因だった。社史制作で知己を得た経営者からは励まされたが、「地方で社史専業は無謀」と諭す人のほうが多かった。

社史は「企業が自らの歴史を、自らの責任において提供した歴史書※ 2」であり、個別企業の経営行動、生産体制の成立経緯、発達過程をできるだけ精緻に考察し、記述する経営史である。制作の目的は、創業の理念継承、経営者・社員教育、企業文化の継承、資料情報の整理保存などがあり、制作には企業の経営環境、ディスクロージャーの体質も問われる。富山には基盤のしっかりした中堅企業が多い。「日本経済を支えるのは90%を占める中小企業。地方の中堅企業こそ社史を残すべき。それには専門の編集者が必要」と妄想していた。差別化が功を奏し、これまでに100冊余りを制作した。

日本・東京商工会議所の推薦理由は「起業や長く会社経営を続けてきた経験と多くの会社の歴史を知る立場から、子どもたちに伝えることも多い」というもの。今後、自らの経験を交えて本校の先達である山田昌作氏はじめ多くの経営者の理念、生き様を伝えることで、こどもたちが課題解決にチャレンジし、自ら行動を起こす知識・能力・態度を身に付ける一助になればと思っている。

※1 ドラッカーは著書『イノベーションと企業家精神』(1985)で、「アントレプレナーシップとは、イノベーションを武器として、変化の中に機会を発見し、事業を成功させる行動体系である」と定義。
※2 藤田誠久(1990)『社史の研究』有斐閣

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