
略歴
昭和62年4月 桜井高等学校 教諭
平成 2年4月 富山高等学校 教諭
平成18年4月 富山県教育委員会教職員課 管理主事
平成21年4月 有磯高等学校 教頭
平成22年4月 富山南高等学校 教頭
平成25年4月 富山県教育委員会教育企画課 主幹
平成28年4月 富山東高等学校 校長
平成30年4月 富山いずみ高等学校 校長
令和 2年4月 富山高等学校 校長
今年4月1日。正門をくぐり、満開の桜の下を歩いた時、以前は図書館越しに見えたはずの剱岳が、少し見えづらくなっているように感じました。ケヤキの木が大きく成長し、その視界を遮るようになっていたのです。平成2年に本校に赴任し、初めてこの風景を眺めてから30年の時が流れたことを実感した瞬間でした。135周年を迎えた本校に着任して、大変光栄に思うとともに、改めて歴史や伝統の重みを実感し、本校で学ぶ生徒をたくましく健やかに成長させていく責任を感じております。
コロナウイルス感染防止のため、3月から続いていた臨時休校が6月に解除され、少しずつ元の学校生活に戻りつつあります。授業中や放課後に校内を回りながら、これまで当たり前と思っていた学校生活ができる有り難さを、しみじみと感じています。一方、臨時休校中にオンラインによる面接や授業を行うなどの工夫をする中で、これまでこの方法しかないと思い込んでいたことが、別の形で行えることも分かりました。
これまで本校は、単に知識を蓄えるのではなく、人と人との関わりを通して優れた人格を形成し、国家や社会に貢献する人材を育ててきました。
残念ながら、その成果の一面である進学実績だけで単純に評価する風潮がまだ世の中に残っています。しかし、現在のコロナ禍により、社会では行動や意識の変革が求められています。今回のことは、本来の教育の目的を再確認し、例えば卒業10年後の社会への貢献度を評価するしくみなどを検討する良い機会でもあると考えています。
次期学習指導要領は10年後の社会を見据え、予想困難な社会において、子供たちが未来を切り拓いていくための資質・能力が明確化され、持続可能な社会の創り手の育成が目標として掲げられました。また、Society5.0(超スマート社会)が提唱され、AIやIoT、ビッグデータ等を活用できる人材の育成が求められています。
このコロナ禍を、生徒たちがポスト・コロナ時代といわれる将来の社会を創造していくために、自分自身で考えて行動していく資質・能力をつける絶好の機会だと前向きに捉えて、我々教職員も校訓「慎重自ラ持シ 敢為事ニ当タル」の精神を心がけ、これまで行ってきた方法や体制を慎重に見直しながらも、変革が必要なところは大胆に変えたいと考えています。
「自分で考え、判断し、よりよい社会のために行動できる人を育てる」という教育の目的をどうすれば実践できるかを教職員とともに考えながら、真の学びができるこれからの新しい学校を創っていく覚悟でいます。
終わりになりましたが、同窓会の皆様には、今後も本校への変わらぬご理解と、生徒たちが10年後に大きく葉を広げた大木となれるような教育環境を整えるため、一層のご支援をお願い申し上げ、着任のご挨拶といたします。